クラウド型確定申告ソフトの一覧

こんにちは。不可思議絵の具です。

本記事では、Webブラウザーだけで確定申告書類が作れる「クラウド型確定申告ソフト」の調査結果をまとめました。

確定申告の必要に迫られている個人事業主さんはぜひ読んで下さい!

ご存じの方にとっては少々まわりくどく感じられるもしれませんが、確定申告そのものの説明も少ししています。

もくじ(押すと各章に飛ぶ)

ついに…確定申告の時が来た…!(私の事情)

脱サラして2年目。

増え続ける赤字に焦ってますが、まだなんとか生き延びています。

前年の確定申告はサラリーマン時代の源泉徴収分を返してもらう(還付申告)ためのものでしたが、今年は個人事業主として収入がありましたので、所得税を払うための確定申告をしなければなりません。

色々と煮えきれなくて独立に振り切れず、青色申告の申請をしていなかったのと、稼ぎが非常に少ないこともあり、今年は白色申告になりました。

昨年末にバタバタと確定申告のことを調べて売上数字を集計したのですが、日々の日銭稼ぎで一杯一杯で、確定申告の「か」の字も考えたことが無く、ルール(特に経費の考え方)を学ぶこと自体が大変でしたが、作業自体は確定申告ソフトのおかげで随分簡単に済みました。

そもそも、確定申告とは

そもそも、「確定申告」って何なんでしょう?

ウチは起業支援サイトではないので、超ザックリと説明しますね。
詳しい説明は、すみませんが都度ググってください。

確定申告=所得を国に報告して所得税額を確定すること

商売をすると、儲かりますますよね(売上)。
これを会計用語で「収入」と呼びます。

儲かるためには商品の仕入れや営業活動が必要ですよね。
例えば、部材購入、商品仕入、伝票用紙やパソコンなどの事務処理用品、接待費…etc.
これを会計用語で「経費」と呼びます。

収入」から「経費」を引くと、いわゆる「儲け(粗利)」が求まりますよね。
これを会計用語で「所得」と呼びます。
サラリーマンの給料で言うところの「手取り年収」です。

「所得」には「所得税」が掛かります。

確定申告」とは、

  1. 次年度の所得税の金額を決めるために、
  2. 前年度1月1日~12月31日までの間に発生した
    「収入」-「経費」=「所得」を集計して、
  3. 3月15日までに税務署に申告する

作業のことです。

「白色申告」「青色申告」の違い

そして、確定申告は

  1. 白色申告
  2. 青色申告

の2種類あります。

「白色申告」は帳簿の記録が単式簿記でザックリできていれば良いです。
しかし、所得控除額が38万円(基礎控除)しかありません。

「青色申告」は帳簿の記録を複式簿記で正確に行わなければならないので面倒です。
その代わり、38万円(基礎控除)+65万円(青色申告特別控除)を所得控除できます。

つまり、白色申告だと38万しかない所得控除が、青色申告だと103万に増えます。

「所得控除」とは、「本当の所得額」からコレを引いて、
「所得額を低く見せていいよ(=所得税を安くしていいよ)」という金額のことです。

例えば年間200万円稼いだ人が青色申告(所得控除103万円)したとします。
この場合、200万円-103万円の「97万円」が所得税の算出のベースになります。

シンプルに考えると青色申告の方が「おトク」なのですが、青色申告するためには「所得税の青色申告承認申請書」という書類を「確定申告年度の頭」に税務署に提出しておかなければなりません。

「確定申告年度の頭」を具体的言うと、2020年3月頃の確定申告に青色申告するためには、2019年3月頃までに申請書を出しておかなければなりません。

私の場合、これをやっていなかったので白色申告するしかありませんでした。
まあ、青色申告控除を受けたくなるような収入も無いんですけどね(汗

なので、独立してガッツリ稼げる見込みのある方は、とにかく申請だけでもしておいた方が良いと思いますよ。

青色申告するための「所得税の青色申告承認申請書」は「開業届」を出していないと提出できません。 開業届がまだの方は一緒に書いて出しましょう。

  1. 開業日
  2. 業種
  3. 住所
  4. 名前(屋号)

を書くだけの簡単なA4ペラ紙です。

ハンコも三文判でOK!

「確定申告ソフト」とは

白色申告するためには「収支内訳書」と「確定申告書B」を提出します。
(青色申告では、収支内訳書ではなく「所得税青色申告決算書」)

  1. 収支内訳書には収入と経費の内訳を、
  2. 確定申告書Bにはその合算(と、その結果の所得)を記入します。

この2種類の書類を作成することが確定申告の最終目標なわけですが、
そのためには

  • 1年分の収入・経費を記録する
  • 収入と経費の内訳を分類する
    仕訳しわけという)
  • 仕訳ごとに合計する

必要がありますよね。

それを自動でやってくれるのが「確定申告ソフト」です。

取引の数が少なかったり、簿記の知識が豊富であれば、紙やExcelでやっちゃって良いと思いますが、それにしてもソフトでやっちゃえば簡単ですよね。

素人には馴染みの薄い仕訳を適切にやってくれるし、入力ミスを指摘してくれるし、税法のルール変更にも自動で対応してくれますし。

何より、記帳用の入力表をイチから作るのは大変です。

「確定申告ソフト」と「会計ソフト」の違い

確定申告ソフトのサイトを見に行くと、必ずセットで「会計ソフト」も売られていますが、私は最初、この2つのソフトの違いが分かりませんでした。

他にも同様の方がおられると思いますので、私なりの解釈を書いておきます。

どちらのソフトも
入力するもの(売上・仕入・経費)は一緒なのですが、
出力されるもの(出てくる帳票・レポート)が違います。

「確定申告ソフト」種類が少ないですが、
「会計ソフト」圧倒的に豊富です。

出せる
帳票
確定申告
ソフト
会計
ソフト
考え方 確定申告書が
作れれば十分
本格的な経理業務と
経営分析
確定申告
書類
仕訳帳
総勘定
元帳
各種伝票
出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
決算書

「確定申告ソフト」はその名の通り確定申告書類の作成、ただ1点にフォーカスされていますが、

「会計ソフト」は日々の入出金管理や売上分析レポートの出力など、経理業務と経営分析の機能が強化されています。

よって、

  • 確定申告ソフトは零細個人事業主向け
  • 会計ソフトは大規模個人事業主や法人向け

ということになります。

値段も、会計ソフトのほうが数段高いです。

私の場合、確定申告さえできれば十分なので「確定申告ソフト」を使うことにしました。

クラウド型確定申告ソフトの一覧

次に、「確定申告ソフト」をインストールする場所の話です。

確定申告ソフトの形態は、大きく下記2種類に分かれています。

  1. Webブラウザーで動かすクラウド型
  2. パソコンのアプリとして動かすパッケージ型

クラウド型の特徴

クラウド型はWebブラウザーで動きますから、

  • 【利点】インストール作業が不要
  • 【利点】データはクラウド上なので、パソコンを買い替えても引越し作業不要
  • 【利点】WindowsでもMacでも、ソフトによってはスマホやタブレットでも動く
  • 【利点】ノートパソコンやスマホを使って、どこででも記帳できる
  • 【弱点】手動記帳が貧弱(反応速度が遅い、キーボードショートカットが貧弱など)

という特徴があります。

パッケージ型の特徴

パッケージ型は利点と弱点が逆だと思ってください。

すなわち、手動記帳の使い勝手は良いが、インストールが必要で、動くOSは限られ(実質Windows一択)、インストールしたパソコンでしか使えないということです。

私の場合、手動で記帳することはめったになく、銀行・カードの自動取り込み機能でほとんどまかなえるのでクラウド型を検討しました。

クラウド型の一覧

クラウド型確定申告ソフトの有名所は下記のとおりでした。
(ソフト名をクリックすると各サイトに飛んで詳細が読めます)

会社 ソフト名 料金
(税込)
寸評
弥生㈱ やよいの白色申告オンライン 永年無料 会計ソフトの老舗。
「弥生会計」はPCソフトコーナーに必ず置いてあるので知っている人は多いのでは。スマホ入力・レシートの自動読み取りなど、基本は押さえられている。
やよいの青色申告オンライン 年払い8,640円
㈱マネーフォワード 月払い1,280円
年払い11,760円
個人用家計簿ソフト「Money Forward」が有名(私も愛用してます ⇒関連記事)。

明細自動取り込みの対応金融機関が多く、LancersやSquare、A8.netなどフリーランス向けサービスとの連携も面白い。

Money Forwardアプリを使えばスマホのカメラでレシートを読み取れる。

freee㈱ freee 月払い980円~ カラフルで見やすい入力画面が特徴。

スマホ入力とレシートの自動読み取り機能が強い。

各社それぞれ見た目の違いはありますが、今時はどこも【銀行・カードのオンライン明細取得】や【スマホでレシート入力】なんて機能は当たり前に装備されていますし、「確定申告書類を作る」という最終目的は変わらないわけですから、自分にとって使い勝手が良いか悪いかの世界だと思います。

いずれも無料で試用できますので、実際に触ってみるのが一番でしょう。

今年はとりあえず「やよいの白色申告~」に

とりあえず今年はやよいの白色申告オンライン で対応することにしました。

理由は下記2点です。

理由①:完全無料

白色申告という前提で考えると、白色確定申告を完全無料で作れるのは「やよいの白色申告オンライン 」だけでした。

他社にも無料コースはありますが、入力できる明細の数や試用期間が制限されていて、あくまで「試用」扱いです。

すべて無制限で確定申告書類の作成ができるのは「やよいの白色申告~」だけでした。

なお、青色申告の無料ソフトは全くありません

「今年はとりあえず白色申告」という自分のニーズにジャストフィットでした。

今回の確定申告がしのげれば良かったので、使い勝手や好みは二の次でした。
(別に弥生がショボいと言っている訳ではありません)

来年は青色申告するので、青色申告ソフトは再検討の必要アリですが、今年はひとまず「やよいの白色申告オンライン」にお世話になることにしました。

理由②:有名で老舗だから

次の決め手は、素人の自分でも知っているくらい有名なソフトだったからですね。
(ミーハーですみません(;´∀`))

弥生シリーズ自体は、数十年前から販売されている、有名なパッケージソフトです。
(他、メジャーな会計パッケージソフトといえば、OBCの勘定奉行応研の大蔵大臣ミロクJDL IBEXとかですかね)

それこそWindows発売以前、PC-98パソコンが覇権を握っていた時代からあるような老舗で、個人事業とは縁もゆかりも無かった自分でさえ知っているような定番ソフトです。

インターネットによる変化で「マネーフォワード」や「freee」の新興勢力も出てきていますが、歴史の長いソフトなら間違いないだろうと判断しました。

まとめ

内容をもう一度まとめます。

  • 機能面では 会計ソフト > 確定申告ソフト
    価格面でも 会計ソフト > 確定申告ソフト
    確定申告さえできれば良いなら確定申告ソフトで十分。
  • 確定申告ソフトは「パッケージ型」「クラウド型」の2種類ある。
    • Macを使っていたり、出先で記帳したいなら「クラウド型」が良い
    • 入力作業の効率を求めるなら「パッケージ型」が良い。
  • クラウド型の確定申告ソフトは数種類あるが、機能面で大きな違いはない。
    使い勝手が自分にあっているか否かで決めてしまって良い。
  • 白色申告なら「やよいの白色申告オンライン」が唯一無料。
  • 無料の青色申告ソフトは無い。

私はというと、「やよいの白色申告オンライン 」でやってて、あと少しで2017年度分の記帳が終わります。

ここまで長くなりすぎたので、「やよいの白色申告~」の使い方や使い勝手のレポートは別に記事を書きます。

来年度の青色申告は、「やよいの青色申告オンライン 」か「freee 」にしようかな、と。
喫茶店で経費落としまくる自分にとっては、「」はレシート読み取りが別料金なのが痛いので……。

2019/09/05追記

」は「」アプリを使ってレシートを読み取れることが分かりました。

…ってことで、家計簿と事業会計を一元管理できるメリットから「」を使うことにしました。 手のひら返しごめんよ( •̀ㅁ•́;)

 

しっかし…、確定申告って訳わかりませんよねぇ。
漢字と数字ばかりで吐きそうになりました。

今となっては、ただの足し算・引き算だということが分かり、気楽になりましたが…。

最初は「何が分からないか分からない」状態だったので、本を買って概要を勉強しました。
Webにも沢山情報がありますが、何も知らない場合は本を頭から読んだほうが早いですね。

「確定申告って何?」の「ハテナ?」は『すぐ書ける確定申告』で勉強しました。
この本、シーズンになると、どこの本屋の店頭にも置かれるので入手は簡単です。

ただ、これだけでは個人事業主の経理実務は無理ですね。
増えるハテナの答えが載っていません。
個人事業主向けに割かれた部分が少なくて消化不良でした。

ただ、本当に初歩の初歩、概要を掴むには良いと思います。

ついでに↓の本も安かったので買いました。

やよいの青色申告オンライン 」の操作説明書ですが(だから安い)、「個人事業主・フリーランスのための」と銘打ってるだけあり、実務的なことが結構載っていて勉強になりました。

もちろん、自分が選んだ「やよいの白色~」にも応用が効きました。

では。フリーランスに幸あれ(^O^)/

お役に立てたらシェアお願いします(^O^)/
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