こんにちは。 不可思議絵の具です。
本記事ではクラウドVPS「ConoHa」にWordPress専用OS「KUSANAGI」をインストールしてWordPressブログを立ち上げるまでの手順を解説しています。
WordPressってスゲー便利ですよね!
記事編集機能がWordなんかと変わらない便利さだし、プラグインが豊富でカスタマイズしやすいから、ノンプログラミングでかなりのWebサイトができちゃいます。
コイツは半端ない!
あんまり便利なので、
いっそのこと何処かの天才が、電源を入れたら即BASICならぬWordPressが起動する「ワードプレスOS」を作ってくれたら面倒がなくて良いのに……
なんて思っていたら…
さすが!ありました。
セットアップは要りますので即起動とまでは行きませんが、KUSANAGI(くさなぎ)というWordPress専用の仮想マシンがありました。
しかも国産! 素晴らしい。
これを近頃630円/月のコースが出て値ごろ感が出てきたConoHa(このは)にインストールしましたので、その時の試行錯誤をご紹介します。
ここに書かれた手順を実行すれば、Linuxにあまり詳しくない人でも「月々630円の格安WordPressサーバー」を立ち上げられるようにしていますので、
- 今までVPSが高くて手が出なかった方
- VPSを触って勉強してみたい方
はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
各サービスの概説
手順の説明に入る前に、ConoHaとKUSANAGIの概説をしておきますね。
そんなものはいい!インストール手順を早く知りたい!
という方は【手順】に飛んでください。
ConoHaとは
GMOインターネット株式会社が提供するVPSサービスで、下記の特徴があります。
- 転送量無制限
→トラフィック量の予想がつかないサービスを始めやすい
→収益が伴うか怪しいサービスを始めやすい - VPSなのにスペック変更できる
→CPUやメモリなどのスペック増強が管理画面上から簡単にできる
→サーバーの引越し作業が不要になる
→サービスのスケールアップに対応しやすい - VPSを増台して、スイッチで相互接続できる
→DBサーバーを分けたり、キャッシュサーバーを手前に置いたりできる
→サービスのスケールアップに対応しやすい - アプリケーションイメージが豊富
今回利用する「KUSANAGI」を始め、「Minecraft」「Mastodon」などのアプリケーションサーバーのイメージが豊富に用意されていて、簡単にサーバーを作ることができるよう工夫されています。
(自作のISOイメージでOSをイチからインストールすることも可能)
お気づきかもしれませんが、ConoHaは「VPS」と言いつつ、スケールアップやネットワーク構成の変更にも柔軟に対応できるので、実質は「クラウド」サービスです。
KUSANAGIとは
プライム・ストラテジー株式会社が開発するWordPress専用の仮想マシンです。
- OS (CentOS(Linux))
- Webサーバー (Nginx / Apache)
- DBサーバ (MariaDB)
- アプリケーションサーバ (PHP / HHVM)
- WordPress本体 (専用プラグイン付き)
以上のWordPressを動かすために必要な機能が1つの仮想マシンイメージファイルにまとまっているため、1回のOSインストール作業でWordPressに必要な環境が一発で揃う簡便さが特徴です。
また、プライム・ストラテジーが大手WordPressサイトを運営する中で獲得したチューニングノウハウがKUSANAGIにフィードバックされているのも利点です。
手順
では、具体的なインストール手順を説明してゆきます。
大きな流れとしては
- ConoHaに入会
- KUSANAGIのインストール
- メンテナンス用SSH環境の整備
- WordPressデータの移行(任意)
となります。
ConoHaの入会
まずはConoHaに入会します。
全てオンラインで、即完了します。
この気軽さは凄いです。
KUSANAGIのインストール
KUSANAGIをインストールして、WordPressブログを公開できる状態にします。
- KUSANAGIのインストール
- WordPressのプロビジョニング(WordPressの環境作成)
- WordPressの初期設定
詳細手順は↓の記事を参照ください。
レスポンス向上のため、任意でキャッシュを有効化します。
SSH環境の整備
KUSANAGIはSSHを通してメンテナンスします。
単純にポートを開放だけでは危ないので、セキュリティを強化します。
WordPressデータの移行(任意)
新規にWordPress立ち上げるのであればこの手順は不要ですが、引っ越しであればデータ移行が必要です。
私の場合は正サイト(エックスサーバー)の内容を副サイト(ConoHa)に同期を取りたかったので、wordmove
をKUSANAGIにインストールしました。
まとめ
「ちょうどいい」サービスが出てきたんじゃないか?
いわゆる「共用レンタルサーバー」ではシステム構成が決め打ちされているので、ブログを簡単に始められる一方で
- 自作アプリを動かしたい
- 凝ったチューニングを施したい
(例:Webサーバーソフト換えたい、ネットワーク設定を変更したい) - サーバーのスペックを増強したい
(例:DISK容量を増やしたい、繁忙期のみメモリを増やしたい)
といったことをやろうとすると色々と制限が出てきてしまいます。
そのため、カスタマイズやスケーラビリティが前提条件にあるなら、OSから自分でセットアップできる
- クラウド
- 専用サーバー
- VPS
を使うことになるのですが、こういったサービスは初期費用が高かったり、従量課金制が怖かったりと、スモールスタートするには難しいものでした(特に個人)。
ConoHaも以前はメモリ1GB・900円/月が最安プランだったため、「WordPressサーバー」という観点では「性能高めのレンタルサーバー(例:エックスサーバー)」などに比べて圧倒的にコストパフォーマンスが良い、とは言えませんでした。
しかし、近頃ConoHaにメモリ512GBで初期費用不要・630円/月というプランが追加されたことで値ごろ感が出てきました。
ConoHaはWebサービスのスタートアップにとても向いている
ConoHaはVPS並の価格帯でありながら、クラウド的なスケールアップもできるので、
- 最初は1台で
- メモリを増やしてみて
- WebとDBに分けてみて
- ロードバランサとWebを増やして
…のような改善の余地がありますし、転送量無制限の定額制ですので、経費が想定外になるリスクもありません。
今回紹介したシナリオは「最初は1台で」の部分だけなので、ConoHaである理由はマダマダ薄いのですが、サイトが成長して規模を拡大しても契約を変えず(※)にスケールアップしてゆけるのはConoHaの大きな利点です。
以上の点から「Webサービスのスタートアップ」に特に向いています。
- 共用レンタルサーバーではこういった柔軟な構成を取れない。
スケールアップの際は契約変更(サーバーの引っ越し)が必要
Windowsサーバーにもなる
記事の趣旨とは違うので、紹介だけ。
ConoHaはWindowsも動きます。
👇で少し触れていますので、こちらもよろしければご覧ください。
では(^O^)/